太田一夫先生

Dr. OTA

先輩からのメッセージ 
太田一夫先生

太田小児歯科医院 院長[カリフォルニア州トーレンス市]
1979年日歯大卒業。日本歯科大学小児歯科学教室勤務、千葉県袖ヶ浦福祉センター歯科室長を経て、渡米。南カリフォルニア大学歯学部小児歯科専門課を1984年に卒業。南カリフォルニア大学歯学部小児歯科学教室に臨床准教授として勤務。その後、南カリフォルニア大歯学部予防歯科・疫学科の非常勤准教授も兼務し、1989年よりカリフォルニア州トーレンス市にて太田小児歯科医院を開業し、今に至る。

チャレンジ精神を持って

  • 私がたくさんの選択肢のなかで小児歯科を選んだのは、子供が好きだということと、その子供たちが初めて歯科と接する大事な機会に、しっかりとした知識と技術を持って対応してあげることは、大変に意味のあることだと感じたからです。そしてそのことが、きちんと行われていた日本歯科大学の小児歯科講座で勉強することに決めました。
    小児歯科について母校で勉強し、研究にも携わっていくうちに、海外で勉強すればもっと深く小児歯科のことを知ることができるのではと感じて、小児歯科の歴史も古く、小児歯科の専門医になるためのプログラムも確立されているアメリカに思い切って行くことに決め、南カリフォルニア大学歯学部の小児歯科専門課程に入学しました。選んだ理由は、カリフォルニア州が日本から一番近いのと、気候が温暖なので1年を通して比較的過ごしやすいことが決め手でしたね(笑)。
    現地で暮らし始めた当初は言葉の壁があり苦労しましたが、語学学校に通ったり、大学でアメリカ人の友人を作ったりするうちに、英語にも少しですが自信がつき、小児歯科の勉強をスタートすることができました。大学の教授やプログラムの同級生は外国人の私に大変やさしく、くじけそうになりながらも皆の励ましで卒業することができました。
    南カリフォルニア大学のプログラムを終え、小児歯科専門医の資格を取ってから、経験のために大学で働きたいと大学に伝えると、小児歯科の基礎と臨床を学生に教えたり、基礎の微生物学の研究をするという仕事に就くことができました。今、思えば外国人である私が、学生に教えていた期間は、結局、バックグラウンドの異なるアメリカや他の国の学生からいろいろなことを教わっていた貴重な時期だった気がします。
    その後、アメリカで小児歯科専門医の免許、歯科医師の免許、そして永住権を取得し、経験の1つとしてこちらで開業してみることにしました。実際、保険制度は日本と全く違い、いたって単純な保険のシステムです。面倒が少なく、診療に専念できるのでこちらで開業して良かったのではと感じています。
    自分の興味を持ったことにチャレンジするのが人生の醍醐味だと思います。もし、それがアメリカで勉強するということならば、その目的のために日本で歯科の勉強をしたり、英語の準備をすることは、苦しいことではなくて、楽しいことだと感じられるはずですので、ぜひチャレンジしてみてください!

  • アメリカでも子供たちの口の健康を
    思い続けて25年の月日が経つ