樋口克輔先生

Dr. HIGUCHI

先輩からのメッセージ 
樋口克輔先生

1987年日歯大卒業。新潟市北区「樋口歯科医院」院長。上杉那朗のペンネームで活躍中。『セカンドムーン』で小松左京賞を受賞。その他著書に『おもひで屋』『黒の七夕』『黒姫伝説殺人事件』などがある。

作家も歯科医も全力投球

  • 僕が診療のかたわら作家として活動するようになったきっかけは、ロマンがたっぷりつまったミステリーのペーパーバックに、日々の診療で乾燥した心を潤されたからです。特に内田康夫さんが描く浅見光彦シリーズが大好きで、手当たり次第に読むようになり、そのうち「自分でも書けるのでは?」と思い立ち、ワープロを叩きはじめました。その投稿第一作のミステリー『火龍の休息』(後に改題・加筆され『フラッシュ・オーバー』として上梓される)が第19回横溝正史賞にノミネートされ、佳作となりました。第8回小松左京賞を受賞した『セカンドムーン』はSFで、心機一転、ペンネームも「樋口京輔」から「上杉那郎」に変え、出直そうと書いた作品。これからは、ジャンルを越えたいわゆるエンターテインメントを書きたいと思っています。
    兼業作家としては、なかなか大変なのです。昼間は医院で歯科診療、原稿を書くのはもっぱら夜中。朝2時には起きだし、毎日きっちり2時間執筆。それ以上はやりません。本業は歯科医と心得ているから……。

  • 午後の診療を終えた診療室で
    『セカンドムーン』を手に。

アドバイス

知識に無駄なものなどない。将来どんな時に役に立つかも知れない。僕の場合、大学時代の基礎系の知識が大いに役に立っている。貪欲に知識を吸収できるのは学生時代ですよ。