岡安こずえ先生

Dr. OKAYASU

先輩からのメッセージ 
岡安こずえ先生

山梨県福祉保健部健康増進課
1999年日歯大卒業。2000年日本歯科大学附属病院歯周病学教室入局。07年米国ミシガン大学留学。帰国後12年より山梨県福祉保健部健康増進課に勤務。日本歯科大学総合診療科非常勤講師、NPO法人日本歯周病学会認定歯周病専門医。

行政の立場から地域の歯科医療を考える

  • 現在私は、県の歯科保健に関する業務の調整や連絡などを仕事としております。具体的には、山梨県民の歯やお口に関する状況が少しでも改善されるような普及啓発活動や、8020運動(80歳で20本以上の自分の歯を維持し、健康で健やかな生活を送りましょうという運動)の推進、歯科と医科との連携などの業務に携わっています。
    日本歯科大学を卒業後、歯周病学に興味があり、同附属病院歯周病学教室に入局しました。病院勤務時代に米国歯周病学会のAnnual Meeting(年次総会)に参加させていただきました。その折り、他国の先生方の積極的な態度やレベルの高さに感銘を受け、その世界に行ってみたいと思い留学を決意しました。幸運なことに、歯周病学教室のOBの先生方がミシガン大学への留学経験があり、その内容の確かさを聞かせていただいていたのも後押ししてくれました。
    帰国後は開業も考えましたが、現在の仕事を選びました。というのも、行政の立場から携わる地域における歯科医療というものに興味を持っていたからです。大学病院だけでなく、一般の開業歯科医院での勤務の経験などから、それまでの「診療」中心から、「経営」はもちろん、「制度」や「歯科医師の役割」について考える機会があり、地域における歯科医療の大切さに思いがいたりました。まだ、2年目で仕事は覚えることがたくさんありますが、やりがいのある仕事に就いたと思っています。  
    日本歯科大学は数ある歯科大学のなかでも、歴史があり、多くの卒業生を輩出している点は大きな利点であると思います。直接存じ上げない方でも日歯大卒業ということで、数多くの日歯大の先輩がたに声をかけていただけます。それは行政という臨床現場とは180度違う不慣れな場所にいても、大きな励みになり、頑張ることができます。
    近年、歯科疾患と全身との関連が明らかになってきており歯科は生活に直結し、「生活の質」だけでなく、「生命」に直結する分野となっています。また、一昨年の山中教授のノーベル医学賞受賞で話題になった再生医療は、歯科においても非常に期待され、今後ますます興味深い分野になるでしょう。皆さんが歯科医師になる頃には、現在の歯科治療と全く手法の違う治療法が主流となっているかもしれません。よく遊び、よく学びと言いますが、6年間の大学生活を満喫して頼もしい未来の歯科医師になってください。