村上一枝先生

Dr. MURAKAMI

先輩からのメッセージ 
村上一枝先生

CARA 特定非営利活動法人 カラ=西アフリカ農村自立協力会 代表
日歯大卒業。1989年マリ共和国へボランティアとして日本NPO法人「サヘルの森」の植林活動に参加。以後マリへ在住。現在「カラ=西アフリカ農村自立協力会」代表としてマリ共和国と日本事務局を往復し支援活動を続けている。2001年読売新聞社主催第29回「医療功労賞」、02年長岡市米百俵財団主催第6回「米百俵賞」、06年(財)社会貢献支援団主催第36回「日本財団賞」、13年2月毎日新聞社主催第2回「毎日地球未来賞」、同年11月日本ソロプチミスト財団「社会貢献賞」「千嘉代子賞」、14年日本住宅協会「国際住居年記念賞」など多数の受賞歴がある。2014年本学創立記念日にて名誉博士号を授与された。

物事の本質を見る目を!

  • 日本歯科大学歯学部を卒業後、医局や新潟で小児歯科の研鑽を重ね、医院を設立しました。開業中に、マリを旅行しているときユニセフの医師が予防注射をしているのを見て、個人でもこういう医療活動ができるのかと思い、また、日本歯科大学で学んだことで、歯科以外にも、病気の予防や衛生的・栄養的な見地から、子供がいかに健康に育つかということを目的に、海外で支援をしたいという思いが募り、私財をなげうってマリで活動しようと決めました。
    しかし、活動当初はそもそも支援を受け入れる土台がありませんでした。字の読み書きができない、服を買うお金もない、食べるものがない、と生きるための根本ができていない状況でしたので、当初の目的を達するためにはまず「自分たちで生きていけること」を支援しなければいけませんでした。具体的には、井戸を掘ってきれいな水の確保、公衆衛生の普及、識字学習、裁縫や野菜園の造成による現金収入の向上など多岐にわたります。
    1989年から日本NGOのボランティアとして始めた活動は、94年にマリ共和国から外国籍NGO団体として認証を受け本格的に支援活動を始め、現在では86ヵ村、約5万人を対象に活動を展開しています。これからも、このような活動をしていき、学んできたものを返していって、ゼロになって人生終わるのが自分の道なのだろうと思います。
    学生さんには、世界を広く、公平な目で見てこれから仕事をしていってもらいたいと思います。そうすれば何かしら社会に貢献することができますし、それが生き方だと思います。どんな仕事をしていても、本質を見る目を失わないで欲しいです。

  • 日本滞在時には数多くの講演会をこなす
  • ジャラコロ村女性野菜園で収穫されたパパイアと