島津貴咲先生 受賞報告

 2023年11月10〜12日に札幌で開催された第40回日本障害者歯科学会学術大会にて、島津貴咲先生が優秀発表賞を受賞しました。 受賞タイトルは「フェニトイン性歯肉増殖症への補完代替療法:ルテインによるTRPA1チャネルの阻害効果」で、フェニトイン性歯肉増殖症の動物疾患モデルを用いて、機能性食品成分であるルテインによる予防・症状緩和効果を検証したものです。

本研究により、ラット歯肉にはTRPA1陽性の歯肉線維芽細胞が局在しており、フェニトインの作用でコラーゲン線維産生能が亢進することで、歯肉が肥大することが判明しました。この歯肉肥大は、ルテイン投与によるTRPA1の阻害効果により、軽減できることも示唆されました。これらの知見は、健康食品の開発や副作用の少ない補完代替医療にも有効であると考えられ、てんかん患者のQOL向上にも寄与できることが期待されます。