日本歯科大学 病理学講座
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研究テーマ

研究テーマ(科研費交付課題より抜粋)

 我々の研究室では現在、主に以下のテーマについて 科学研究費補助金の援助を受けて研究を行っています。 過去の研究課題についてはPDFにまとめています。

平成25〜27年度基盤研究(C)
口腔癌微小環境と浸潤転移:免疫表現型と空間位置情報に基づく悪性度診断
平成25〜27年度基盤研究(C)
口腔癌細胞のマウス同所移植モデルにおける腫瘍リンパ管新生と前転移ニッチ形成
平成24〜26年度基盤研究(C)
舌扁平上皮癌の予後因子としてのリンパ管新生とリンパ管侵襲の臨床病理診断法の開発
平成24〜26年度基盤研究(C)
マウス二次口蓋突起の先端上皮間接着の分子制御と口蓋裂の発症機構
平成23〜25年度基盤研究(C)
ヒト舌表在性癌の切除断端における細胞異型・胞巣構造・浸潤様式の3次元病理診断
平成23〜25年度基盤研究(C)
マウス舌発生における舌下神経の軸索誘導に働く血管・神経・筋系譜細胞の相互作用
平成23〜25年度基盤研究(C)
新型バーチャルスライドを用いた腎血管構築の再現と慢性腎臓病進展機構の解明

科学研究費採択課題(〜平成28年)


研究トピックス

病態を多角的に解析する:複雑な病変組織要素の分画と統合

 我々の研究室では、ヒト病理検体や疾患モデル動物試料の形態学的評価 の一つとして、組織要素の多元解析を進めています。病変に含まれる各種 要素を分画することにより標的分子の空間分布を端的に捉えることができ、 関連する分子発現情報を統合することによってその重なりに基づいた表現型 分類が可能になります。連続切片からの立体構築技術を組み合わせることに よって分子局在について視覚的に理解しやすくなるとともに、対象要素の 表面積、堆積、距離などの3次元形態計測値を得ることができます。これら の解析法を用いて病変がもつ多面的な性格を一つずつ抽出しながら病態の 解明を目指しています。


例1 口腔癌の細胞表現型 ヒト舌扁平上皮癌症例におけるHE染色像(上)と多重免疫染色解析(下)。 癌組織の特徴を捉える目的で上皮細胞マーカーのサイトケラチン、 E-カドヘリンに加え、細胞増殖マーカー(Ki-67)やp53分子、間質組織に 局在する血管(CD31/CD34)、リンパ管(D2-40)について免疫染色を 施しました。陽性領域を同時表示することによって健常部を含めた 癌病巣全体(この試料では幅約3cm)の特徴を把握することができます。


例2 癌胞巣周囲の血管・リンパ管網 ヒト舌扁平上皮癌の浸潤先端部を組織アレイヤーで直径3mmに打ち抜き、 連続切片を作製、腫瘍実質(サイトケラチン;ピンク)と間質空間の血管 (CD31;赤)・リンパ管(D2-40;黄)の免疫染色像から立体構築しました 。この3次元解析によって母体となる腫瘍塊から離散した微小な孤立癌胞巣 や脈管に接触・浸潤する癌細胞集団を捉えることができます。


例3 マウス顎顔面形成時の神経・血管網の構築 胎生日齢E10.5〜E11.5におけるマウス顎顔面領域の神経軸索 (PGP9.5/GAP43;黄[E10.5のみ])と血管走行(PECAM1;赤)を 立体表示しています。複雑な組織形態変化を遂げる初期発生段階で 構築される神経と血管との相互作用を解析しています。


 これらの画像解析では以下に挙げる実験手法の連携が 基盤となっています。

均質な薄切切片の作製 回転式ミクロトーム+ セクショントランスファーシステム(Microm)を用いて200〜 600枚の連続薄切標本(4μm厚)を作製します。連続組織標本を 薄切順に方位を揃えてシランコーティングされたスライド グラスに配列(9連続切片×3列)することにより、後の 免疫染色操作とバーチャルスライドによるデジタル記録を 短時間に効率的に遂行できます。ヒト病理検体などの大きな 標本から安定した連続切片を得るために自動薄切装置(クラボウ ASシリーズなど)が開発されています。

同一切片への多重免疫染色 対象分子の組み合わせや 染色順序については、タンパク分子の組織局在パターン(細胞膜、核など) 、抗体の免疫動物種・特異性、発色剤との相性などを検証して 決定します。多重染色では、各組織要素を色調で分別できるよう、 Vector blue(青色)、DAB(茶色)など複数の発色剤を組み合わせ、 各染色が終わった段階で仮封入してバーチャルスライド(浜松ホトニクス)により画像を 取得します。水溶性発色剤では色素が消去できるため、 次の免疫染色に再使用が可能です。

画像演算処理 バーチャルスライドにより得られた 高画質のデジタル情報から免疫染色の陽性反応領域を発色剤の 色調に基づいて抽出します。連続切片の場合、切片間の陽性領域 を位置合わせしてPC上で3次元的に再構築できます。我々の研究室 では、NIH提供のフリーウェアImageJとプラグインを組み合わせて これらの画像処理を短時間で実施できるようなプロトコルを 作成しています。TRI-SRF2(ラトック社)やVG Studio(日本ビジュアル サイエンス社)などの市販ソフトウェアを導入することで、 この立体情報に多彩な要素を組み込み、3次元空間での形態計測値 を得るためのより高度な作業が可能になります。

参考プロトコル:ImageJを使用した組織立体構築(PDFファイル:938KB)


学術大会等での発表【平成24年度(2012年)】

 以下の学会において発表しました。

第101回日本病理学会
平成24年4月26〜28日 京王プラザホテル
病理検体の自動連続薄切標本を用いた3次元形態観察 (○中右かよ...)
癌微小環境におけるHIF-1α陽性核の空間分布と血管新生誘導 (○藤田和也...)
オープンソースImage-Jによる癌浸潤先端の組織立体構築 (○島津徳人...)
バーチャルスライド教材による病理学実習システムの自主開発 (○青葉孝昭...)
癌微小浸潤の3次元形態解析:癌細胞のポドプラニン発現と浸潤能 (○柳下寿郎...)
ヒト扁平上皮癌移植モデルにおける癌細胞表現型と浸潤転移能 (○白子要一...)
粥状硬化巣の不安定性を規定する新生血管分布の解析(○倉田美恵先生[愛媛大学大学院医学系研究科ゲノム病理学(共同研究)]...)
腎内血管走行の3次元構築:弓状小葉間動脈の分枝と微小血管網(○上杉憲子先生[筑波大学人間総合科学研究科腎血管病理(共同研究)]...)
第45回日本発生生物学会・第64回日本細胞生物学会合同大会
平成24年5月28〜31日 神戸国際会議場
Embryonic morphogenesis and organization of vascular and nervous networks in mouse craniofacial region (○田谷雄二...)
第36回日本リンパ学会
平成24年6月29日〜7月1日 東京女子医科大学総合外来センター
3次元腫瘍微小環境におけるリンパ管新生と癌細胞のリンパ管侵襲 (○島津徳人...)
第22回欧州癌研究会議(EACR-22)
平成24年7月7〜10日 スペイン・バルセロナコングレスセンター
Invasion and lymphatic dissemination of human squamous cell carcinoma xenografts in three-dimensional murine microenvironment (○添野雄一...)
第21回日本がん転移学会
平成24年7月12〜13日 オリエンタルホテル広島
扁平上皮癌のリンパ節転移では癌細胞表現型の転換が必須条件となるか (○島津徳人...)
メルボルン大学 St. Vincent Hospital Special Seminar(Dr. Erik Thompson主催)にて講演
平成24年8月31日
Three-dimensional histopathology of squamous cell carcinoma invasion and vascular dissemination(添野雄一)
14th International Biennial Congress of the Metastasis Research Society
平成24年9月2〜5日 オーストラリア・ブリスベン国際会議場
3D quantitative analysis of local invasiveness and lymphovascular dissemination of human oral squamous cell carcinoma xenografts in mouse tongue microenvironment(○島津徳人...)
第54回歯科基礎医学会学術大会・総会
平成24年9月14〜16日 奥羽大学
口腔扁平上皮癌における腫瘍血管構築とM2マクロファージ(○中右かよ...)
ヒト口腔癌移植マウスモデルにおける脈管新生誘導(○白子要一...)
マウス舌発生における舌筋前駆細胞の移住は舌下神経の軸索誘導に働く(○田谷雄二...)
第71回日本癌学会学術総会
平成24年9月19〜21日 ホテルロイトン札幌
Tumor-stroma interactions and early nodal metastasis of head and neck squamous cell carcinoma in a xenograft mouse model(○添野雄一...)
Cooperation of chemokine receptors CXCR4 and CCR7 in breast cancer cell invasion and lymph node metastasis(○早坂晴子先生[大阪大学大学院医学系研究科免疫動態学(共同研究)]...)
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