日本歯科大学 病理学講座

鑑別診断課題59

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設問1 4枚のうちでどれが異なるか? 
B

設問2 残り3枚の組織像で共通する特徴(病変・病態・分類など)は?
嚢胞と腫瘍との鑑別。多形性腺腫は口蓋粘膜 の小唾液腺由来の症例で、被膜への浸潤が認められる。多形性腺腫の好発部位は 耳下腺であるが、口蓋の腫瘤として気づかれることも多い。

設問3 それぞれの組織像に最も適する病変の診断名は?
A:多形性腺腫
ほぼ均一な核をもつ腫瘍細胞の増生と粘液腫様の間質反応を認める。 線維性被膜に腺(管)腔を形成した小胞巣が侵入している。
B:鼻口蓋管嚢胞
写真上方が嚢胞腔、上皮層を挟んで線維性組織の嚢胞壁(上顎嚢胞) を示す。線毛上皮からなる嚢胞上皮と発生部位から最終診断に至る。 顎骨内に発生し、エックス線所見では骨吸収像を呈する。
C:骨肉腫
線維性被膜に囲まれて、粘液腫様の部位と骨基質の産生がみられ、 細胞核も濃染して細胞異型も目立つ。エックス線所見では骨の破壊像 をともなう場合が多い。
D:エナメル上皮線維腫
歯乳頭を思わせる細胞成分に富んだ幼若な結合組織の中に、 上皮成分が細い索状ないし小塊状に増殖している。これらの索状の 先端は蕾状に膨らみ、歯堤とエナメル器に類似した組織像を示す。 他の歯原性腫瘍と同様に、大部分は顎骨内に発生する。

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