日本歯科大学 病理学講座

鑑別診断課題54

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設問1 4枚のうちでどれが異なるか? 
C

設問2 残り3枚の組織像で共通する特徴(病変・病態・分類など)は?
腫瘍(粘表皮癌)と唾液腺腺房との鑑別。 粘表皮癌では、扁平上皮様の腫瘍細胞とともに粘液産生能を示す腫瘍細胞が 認められる。腫瘍化していない唾液腺組織での漿液腺房と粘液腺房の特徴を 思い起こす。

設問3 それぞれの組織像に最も適する病変の診断名は?
A:粘表皮癌
扁平上皮様の癌細胞と粘液産生細胞が共存する典型的な組織所見。 癌胞巣は線維性の間質で囲まれており、胞巣内部も細い間質で区切られて 小葉構造を示す。
B:粘表皮癌
大小不揃いの明るく抜けた細胞質をもつ癌細胞と、一部で扁平上皮様 の細胞も共存して胞巣構造を造っている。胞巣周囲には線維組織が 取り巻いており、炎症反応は乏しい。
C:唾液腺(混合腺)
炎症反応をともなっているが、正常な唾液腺の腺房細胞 (*漿液産生細胞、**粘液産生細胞)である。
D:粘表皮癌
扁平上皮様の癌細胞と分泌物を貯めた管腔が目立つ。 管腔の大きさや配列は不規則で(構造異型)、細胞質が明るく抜けて おり、粘液産生を想わせる癌細胞も多数みられる。

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