日本歯科大学 病理学講座

鑑別診断課題52

課題52-a画像 課題52-b画像
課題52-c画像 課題52-d画像

設問1 4枚のうちでどれが異なるか? 
D

設問2 残り3枚の組織像で共通する特徴(病変・病態・分類など)は?
腺様嚢胞癌:4枚の組織像は索状の 胞巣構造を示す。腫瘍胞巣を構成している細胞の形態、腺様嚢胞癌では 偽嚢胞の形成、エナメル上皮腫では星状細胞様あるいは扁平上皮化生が 鑑別の手助けとなる。

設問3 それぞれの組織像に最も適する病変の診断名は?
A:腺様嚢胞癌
多数の胞巣が索状に増殖し、末梢神経線維の周囲に浸潤している。 それらの胞巣では癌細胞は核/細胞質比の増大と濃染する核を示し、 嚢胞状の腔を認める。間質では疎な線維性結合織からなる。
B:腺様嚢胞癌
胞巣を構成している大半の細胞は類円形の核を示し、 その核周囲に白い空隙を有している。一部に好酸性の細胞質を 示す細胞が腺管を形成している。いずれの細胞にも異型性は乏しい。 篩状構造を示す胞巣が観察される。
C:腺様嚢胞癌
多くの胞巣は小型で、索状に増殖し、核異型の乏しい細胞により 構成されている。写真左の大型の胞巣では細胞間隙が拡大し、 嚢胞腔が集まった篩状構造も認められる。間質の一部では線維化 が進んでいる。
D:エナメル上皮腫
索状増殖を示す腫瘍胞巣では歯堤を思わせる先端部の膨隆がみられる。 胞巣辺縁には濃染核を示す細胞が配列し、内部では星状細胞様の細胞 が認められる。一部には扁平上皮化生も観察される。間質は浮腫状を呈している。

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