日本歯科大学 病理学講座

鑑別診断課題48

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設問1 4枚のうちでどれが異なるか? 
B

設問2 残り3枚の組織像で共通する特徴(病変・病態・分類など)は?
濃染する核を持つ細胞が増殖し、 索状の胞巣構造を示すものと、壊死によって胞巣が索状のように見えるもの が含まれている。エナメル上皮腫の胞巣の形態を把握し、壊死組織を判別する。

設問3 それぞれの組織像に最も適する病変の診断名は?
A:エナメル上皮腫
索状増殖を示す腫瘍胞巣では歯堤を思わせる先端部の膨隆がみられる。 胞巣辺縁には濃染する細胞が配列し、内部では星状細胞様の細胞が一部に 観察される。間質は浮腫状を呈し、血管腔が散見される。
B:基底細胞癌
濃染する円形核が胞巣を形成しながら、不規則に増殖している。実質と間質の 境界は明瞭である。胞巣の内部では酸素や栄養の供給が不足するため腫瘍細胞 が広範囲にわたって壊死している。
C:エナメル上皮腫
腫瘍実質が不規則に連結し網目構造を呈している。胞巣辺縁部では 立方状の細胞が配列し、内部ではエナメル髄様の構造が一部にみられる。 間質では循環障害(うっ血)と嚢胞化を生じている。
D:エナメル上皮腫
腫瘍細胞は索状に増殖し、胞巣先端では膨隆を示している。 間質に接している胞巣の辺縁では濃染核を示す細胞が配列し、 内部ではやや疎らに細胞が存在する部がみられる。間質は浮腫状を呈している。

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