日本歯科大学 病理学講座

鑑別診断課題47

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課題47-c画像 課題47-d画像

設問1 4枚のうちでどれが異なるか? 
D

設問2 残り3枚の組織像で共通する特徴(病変・病態・分類など)は?
いずれの組織像も腺組織を含むが、 その由来と病変(腫瘍と奇形)を鑑別する。唾液腺から発生した悪性腫瘍 として腺様嚢胞癌や粘表皮癌が提示されている。フォーダイス斑は口腔粘膜 の異所性の皮脂腺組織で奇形とみなされている。

設問3 それぞれの組織像に最も適する病変の診断名は?
A:腺様嚢胞癌
小型の癌胞巣が多数増生し、胞巣内では偽嚢胞が観察される。 胞巣を構成している癌細胞は類円形、ヘマトキシリンに濃染する 核をもち、核/細胞質 比が増大している。末梢神経線維束周囲に 癌細胞が浸潤している。
B:粘表皮癌
嚢胞状に拡張した腺管の内側では背の高い、細胞質内に粘液を 貯めた粘液産生細胞に裏打ちされている。胞巣内では扁平上皮細胞、 中間細胞が混在している。間質は乏しく、拡張した血管腔を認める。
C:粘表皮癌
充実性増殖を示す胞巣内で拡張した腺腔が形成されている。 胞巣を構成している細胞は粘液産生細胞や中間細胞、 扁平上皮細胞である。間質は細く、拡張とうっ血を示す血管腔が認められる。
D:フォーダイス斑
エオジン淡染性で顆粒状の細胞質と小型円形核を示す皮脂腺細胞の 小葉構造が多数認められる。写真中央部は毛嚢で、病変の本体は 異所性の皮脂腺である。

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