日本歯科大学 病理学講座

鑑別診断課題46

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設問1 4枚のうちでどれが異なるか? 
B

設問2 残り3枚の組織像で共通する特徴(病変・病態・分類など)は?
歯原性腫瘍と扁平上皮癌の鑑別。 歯原性腫瘍には扁平上皮様の特徴を示す病変が含まれる。ここに示した 歯原性腫瘍歯いずれも、腫瘍胞巣の周辺に背の高い細胞が配列した 歯原性由来の特徴を示している。扁平上皮癌では細胞異型に注目する。

設問3 それぞれの組織像に最も適する病変の診断名は?
A:腺様歯原性腫瘍
腫瘍実質では、充実性の胞巣と大小の管(腺)腔を造った胞巣とが共存している。 充実性の胞巣の周辺では背の高い細胞(細胞核)が規則的に並んでおり、 胞巣内部では好酸性の基質が細胞間を埋めるように沈着している。 管腔壁は円柱状の上皮細胞によって囲まれており、細胞核は基底側(間質に接する側) に並んでいる。
B:扁平上皮癌
線維性の間質に囲まれて扁平上皮の特徴を示す癌細胞が胞巣構造を造っている。 細胞核の染色性の違い(異型)に注目しよう。癌胞巣の内部では、 癌細胞の壊死(*)もみられる。
C:エナメル上皮腫
腫瘍胞巣の周辺を縁取りする濃染した細胞核と、その内部の星状細胞様と 表現される細胞間隙をもつ細胞配列に注目しよう。一部の胞巣では、 扁平上皮化生(*)を示す。腫瘍胞巣を狭い間質(血管結合織)が 取り囲んでいる(濾胞型)。
D:エナメル上皮腫
腫瘍胞巣と嚢胞化した間質。高円柱状のエナメル上皮と星状細胞とで 構成される歯胚組織と類似した腫瘍胞巣の特徴をよく理解しよう。 中央部の腫瘍胞巣では、扁平上皮化生(*)をきたしている。

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