日本歯科大学 病理学講座

鑑別診断課題43

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課題43-c画像 課題43-d画像

設問1 4枚のうちでどれが異なるか? 
D

設問2 残り3枚の組織像で共通する特徴(病変・病態・分類など)は?
歯原性腫瘍(エナメル上皮腫)と唾液腺腫瘍 (多形性腺腫)の鑑別。多形性腺腫の腫瘍細胞が索状に増殖して、粘液腫様の 領域に移行している。エナメル上皮腫の索状増殖との判別が問題となるが、 背の高い歯原性上皮と星状細胞様の特徴に注目する。

設問3 それぞれの組織像に最も適する病変の診断名は?
A:多形性腺腫
腺腔形成をともなう腫瘍細胞の集落、粘液様の基質中に腫瘍細胞が 個々に分散した領域(粘液腫様の間質反応)、さらに基質の染色性が 変化して軟骨様にみえる領域(*)が認められる。
B:多形性腺腫
中央部では分泌物を含む腺腔が形成されており、 両側に粘液腫様の領域が観察される。
C:多形性腺腫
Aと類似した組織所見を呈している。腫瘍細胞が充実性に集まった領域では、 細胞間基質の沈着により硝子化が起こっている。
D:エナメル上皮腫
濾胞型の増殖パターンを示し、写真右上方では充実性の胞巣、 左方に至ると実質嚢胞の発生が著明である。間質も線維性組織 から組織液を貯留した水腫様変性を示すように変化している。 多形性腺腫の粘液腫様の間質反応との違いを理解しよう。

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