鑑別診断課題41
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設問1 4枚のうちでどれが異なるか?
B
設問2 残り3枚の組織像で共通する特徴(病変・病態・分類など)は?
いずれの組織像でも腫瘍胞巣と大小の
嚢胞腔が観察される。歯原性腫瘍と唾液腺腫瘍の鑑別であり、エナメル上皮腫の
増殖様式(濾胞型、索状型)と実質嚢胞・間質嚢胞を診断する。
設問3 それぞれの組織像に最も適する病変の診断名は?
A:エナメル上皮腫
線維組織で隔壁された大小の嚢胞腔が生じている。写真中央の
小さな嚢胞腔に着目してみると、濾胞型の実質嚢胞(*)である
ことが分かる。大きな嚢胞腔も実質嚢胞であり、腫瘍細胞は
線維組織に向けて歯胚状の増殖様式を示している。
B:腺由来の悪性腫瘍(腺様嚢胞癌)
大きな嚢胞腔が目に付くが、周囲の増生している腫瘍細胞は索状を呈
して腺腔(小さな偽嚢胞)を形成している。線維性被膜にも腫瘍胞巣が
浸潤しており、悪性腫瘍を疑う。この組織像では明らかな篩状構造が
認められないことから、腺様嚢胞癌の診断に至る必要はないが、
少なくとも唾液腺由来の腫瘍を思い浮かべて欲しい。
C:エナメル上皮腫
写真中央の大きな嚢胞腔が生じた箇所では腫瘍胞巣の特徴が
掴みにくいが、下方では典型的な濾胞型の特徴が認められる。
周辺の線維性被膜に向けて、腫瘍細胞が長い索状に伸びている。
D:エナメル上皮腫
全体として索状型の増殖パターンを示し、実質嚢胞と間質嚢胞
のいずれもが生じている。エナメル上皮様の腫瘍細胞が縁取りする
腫瘍胞巣の特徴は明瞭である。
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