日本歯科大学 病理学講座

鑑別診断課題38

課題38-a画像 課題38-b画像
課題38-c画像 課題38-d画像

設問1 4枚のうちでどれが異なるか? 
D

設問2 残り3枚の組織像で共通する特徴(病変・病態・分類など)は?
4つの画像を比較すると、上皮組織の形態 が異なっている。歯原性上皮の特徴を示す病変と唾液腺由来の腺管構造を示 す病との鑑別は大切である。

設問3 それぞれの組織像に最も適する病変の診断名は?
A:腺様歯原性腫瘍
円柱状の細胞が円を描くように配列し、腺管状の構造を形成している。 その周囲にも上皮性細胞が充実性に増殖している。実質内に好酸性の 滴状物質が散見される。間質は浮腫状の結合織からなる。
B:エナメル上皮線維腫
粘液様基質に富み、紡錘形あるいは星芒状を呈した間葉系細胞が 増殖する中に、島状の歯原性上皮胞巣が観察される。索状胞巣の 辺縁では濃染する核を示す立方状の細胞が配列している。
C:エナメル上皮腫
腫瘍細胞が索状の胞巣を形成している。胞巣辺縁に配列する 細胞は濃染核をもつ立方状の細胞で、内部では星状細胞が みられるが、多くは扁平化した細胞である。間質は線維性結合織 と嚢胞化を認める。
D:多形性腺腫
好酸性の細胞質を示す腺上皮によって覆われた腺管状の 構造を認める。その周囲には軟骨様基質や粘液基質が沈着し、 腫瘍細胞は小腔内に埋入あるいは細胞突起を伸ばしている。

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