日本歯科大学 病理学講座

鑑別診断課題37

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設問1 4枚のうちでどれが異なるか? 
A

設問2 残り3枚の組織像で共通する特徴(病変・病態・分類など)は?
唾液腺由来の良性および悪性腫瘍の代表例で、 多様な組織像を示す多形性腺腫と特徴的な胞巣構造を示す腺様嚢胞癌である。 また、悪性腫瘍の特徴である周囲組織への浸潤を見逃してはいけない。

設問3 それぞれの組織像に最も適する病変の診断名は?
A:腺様嚢胞癌
周辺の筋組織内へ浸潤・増殖を示す大小の癌胞巣が観察され、 一部の胞巣では篩状構造を示す。偽嚢胞腔は周囲の結合織と 連続しているため、分泌物が胞巣の周囲にも貯留している。
B:多形性腺腫
腫瘍細胞が密に集合あるいは疎らに分散している領域が混在している。 腫瘍実質の疎らな領域では、粘液腫様の変化と無構造の基質沈着 (硝子化)が観察される。
C:多形性腺腫
腫瘍細胞は索状の胞巣を形成しながら増殖している。 一部で腺管構造を認め、腔内には好酸性分泌物を入れている。 腫瘍細胞の周囲では硝子化(好酸性、無構造)を示す。
D:多形性腺腫
上皮性の腫瘍細胞が大小の腺管状の胞巣を形成している。 胞巣間では腫瘍細胞が分泌した基質沈着により硝子化を呈する。 間質にあたる血管は少ない。

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