日本歯科大学 病理学講座

鑑別診断課題35

課題35-a画像 課題35-b画像
課題35-c画像 課題35-d画像

設問1 4枚のうちでどれが異なるか? 
CあるいはB

設問2 残り3枚の組織像で共通する特徴(病変・病態・分類など)は?
4枚の画像の共通点は好酸性基質の 形成である。設問1の前者では、細胞異型を示す骨肉腫と良性腫瘍との鑑別、 後者では、硝子化を示す多形性腺腫と骨形成を示す非上皮性腫瘍との鑑別 に注目している。

設問3 それぞれの組織像に最も適する病変の診断名は?
A:骨セメント質形成線維腫
不規則な線維骨が形成されている。骨基質内に埋入された骨細胞の核 が多数みられる。一部の骨辺縁には骨芽細胞が配列している。骨梁間 には血管の拡張と線維性結合織の増生を認める。
B:多形性腺腫
腺管は立方状あるいは扁平な腫瘍細胞により囲まれ、一部の腔内 には分泌物や変性・脱落した細胞を認める。腺管周囲には好酸性の 硝子化がみられ、細胞が疎らに存在している。
C:骨肉腫
多角形の癌細胞は核腫大、核の大小不同等の核異型を示しながら 不規則に増殖している。この病変を特徴付ける所見として、好酸性 を示す骨基質が癌細胞によって直接形成されている。
D:骨セメント質形成線維腫
線維骨は不規則な骨梁幅呈している。骨辺縁には骨芽細胞の 配列がみられ、エオジンに淡染する類骨が薄い層として観察される。 骨梁間では細胞成分に富んだ線維性結合織の増生がみられる。

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