日本歯科大学 病理学講座

鑑別診断課題33

課題33-a画像 課題33-b画像
課題33-c画像 課題33-d画像

設問1 4枚のうちでどれが異なるか? 
C

設問2 残り3枚の組織像で共通する特徴(病変・病態・分類など)は?
エオジン好染の構造物と組織空隙の 由来を鑑別する。歯牙腫では象牙基質がエオジン好染を呈しており、その 周囲の空隙は石灰化したエナメル質の溶出跡に相当する。多形性腺腫 では、間質様変化として硝子化と分泌物を溜めた組織空隙が認められる。

設問3 それぞれの組織像に最も適する病変の診断名は?
A:歯牙腫
象牙質に囲まれた軟組織が歯髄、象牙質の外周の空隙が成熟した エナメル質(標本作製に際して脱灰処理により溶出)にあたることを 見分けよう。エナメル質の空隙の表面に残る軟組織はエナメル器 細胞と歯小嚢に相当する。
B:歯牙腫
複雑性歯牙腫の典型像で、個々の歯の輪郭は不明である。象牙質に 埋め込まれるように、歯髄やエナメル質(空隙)が入り組んだ配列を示す。
C:多形性腺腫
腫瘍細胞が腺腔を形成しており、エオジン好性の分泌物を含んでいる。 また、一見すると歯牙腫の象牙質を見誤るエオジン好染の無構造物は 硝子化に陥った間質反応である。腺由来の腫瘍細胞が増殖している ことが鑑別診断に決め手となる。
D:歯牙腫
複雑性歯牙腫のうちで、一部には歯の構造が比較的明瞭に区別できる 集合性歯牙腫の特徴もみられる。歯髄腔(*)、象牙質、エナメル質 (空隙)、その外周の軟組織を判別してみよう。

問題を表示    次の課題


Copyright(c) 2005 NDU Pathology