日本歯科大学 病理学講座

鑑別診断課題31

課題31-a画像 課題31-b画像
課題31-c画像 課題31-d画像

設問1 4枚のうちでどれが異なるか? 
DあるいはB

設問2 残り3枚の組織像で共通する特徴(病変・病態・分類など)は?
鑑別点として、良性腫瘍(平滑筋腫) と悪性腫瘍、あるいは上皮性腫瘍(基底細胞癌)と非上皮性腫瘍が考えら れる。腫瘍病変の良性と悪性の組織鑑別診断では、細胞異型がキーポイン トとなる。基底細胞癌では癌胞巣の中心部の壊死が特徴である。

設問3 それぞれの組織像に最も適する病変の診断名は?
A:軟骨肉腫
好塩基性を示す軟骨基質に取り囲まれた癌細胞を認める。癌細胞は 核の大小不同で、二核化を示し、1つの小腔内に複数の細胞を認める。 写真上方の一部に粘液腫様の変化が観察される。
B:基底細胞癌
癌細胞は濃染する核を示す基底細胞様の細胞で、それらが胞巣を 形成している。有棘細胞様への分化や角化傾向はみられない。 胞巣の内部は好酸性の壊死組織を認める。間質は線維性結合織からなる。
C:骨肉腫
癌細胞は核の腫大および大小不同、核小体の明瞭化を示し、 強い異型を認める。一部の癌細胞は直接骨基質を産生し、 複数の細胞が1つの小腔に閉じ込められている。骨組織の近傍には血管腔を認める
D:平滑筋腫
桿状あるいは両切りタバコ状と形容される細胞核をもつ腫瘍細胞が 束状に配列をしている。一部切断方向によって円形核を示す。 核異型はみられず、良性の腫瘍である。小さな管腔は血管である。

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