日本歯科大学 病理学講座

鑑別診断課題26

課題26-a画像 課題26-b画像
課題26-c画像 課題26-d画像

設問1 4枚のうちでどれが異なるか? 
D

設問2 残り3枚の組織像で共通する特徴(病変・病態・分類など)は?
炎症と癌の鑑別:いずれの組織像でも リンパ球の集積や炎症細胞の浸潤がみられる。炎症に起因する細胞と癌細 胞とを見分ける。

設問3 それぞれの組織像に最も適する病変の診断名は?
A:肉芽組織
核腫大を示す血管内皮細胞に取り込まれた毛細血管が多数増生し、 循環障害(うっ血)を伴っている。血管周囲には好中球やリンパ球を 主体とした著しい炎症細胞が浸潤している。線維成分はほとんど 認められない。
B:肉芽組織(膿瘍形成)
核濃縮を示す好中球が局所に集積した膿瘍形成が認められる。 その周囲では、紡錘形を示す類上皮細胞様のマクロファージが浸潤 した肉芽組織を形成している。毛細血管はスリット状の空隙として 観察される。
C:骨髄炎
類円形あるいは類楕円形を示す大型の巨細胞が多数集蔟している。 その周囲には軽度のリンパ球浸潤と線維性結合織の形成がみられる。 写真上部には骨小腔内に骨細胞の核を認める骨梁が観察される。
D:扁平上皮癌(リンパ節転移)
核異型を示す癌細胞が胞巣を形成し、リンパ濾胞を取り囲んでいる。 写真下方では角化物が認められる。写真上部では内皮細胞の目立つ 毛細血管の周囲に多数のリンパ球が浸潤している。扁平上皮癌のリンパ 節転移である。

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