日本歯科大学 病理学講座

鑑別診断課題24

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設問1 4枚のうちでどれが異なるか? 
C

設問2 残り3枚の組織像で共通する特徴(病変・病態・分類など)は?
多形性腺腫と炎症性肉芽組織の鑑別。 唾液腺由来の腫瘍細胞の表現型として、腺管腔を形成する傾向がある。同時に、 腫瘍細胞が分散して、細胞外基質に取り囲まれると、粘液腫様や軟骨様、硝子化 などの多彩な間質様変化を生じることが特徴である。

設問3 それぞれの組織像に最も適する病変の診断名は?
A:多形性腺腫
円形ないし立方形の揃った核をもつ細胞が集落を構成しており、腺腔形成も 顕著である。腺腔内ではエオジン好染の分泌物を含むものと含まないものとが 共存している。
B:多形性腺腫
粘液腫様と表現される間質反応が著明であり、1列に連なった腫瘍細胞は 粘液性の基質に紛れ込んでいるようにみえる。この粘液腫様の組織を含む 腫瘍実質とともに、腫瘍間質にあたる血管腔も認められる。
C:巨細胞をともなう炎症性肉芽形成
粘膜固有層に含まれる脂肪組織と筋組織に損傷が加わり、炎症性細胞浸潤 をともなう肉芽組織が損傷部を置換している(器質化)。多核細胞が出現して おり、異物を貪食している。なお、特異性炎を疑わせる結節構造(肉芽腫形成) は不明瞭であり、外傷後の組織修復と捉えられる。
D:多形性腺腫
硝子化した間質反応をともないながら立方状の核をもつ腫瘍細胞が増生 している。この組織像では腺腔形成は目立たないが、注意して観察すると、 腫瘍細胞集団は小さな腺腔を形成していることに気が付く。

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