日本歯科大学 病理学講座

鑑別診断課題22

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課題22-c画像 課題22-d画像

設問1 4枚のうちでどれが異なるか? 
C

設問2 残り3枚の組織像で共通する特徴(病変・病態・分類など)は?
炎症性肉芽組織と腫瘍(ホジキン病) とを鑑別する。炎症細胞として、好中球、マクロファージ、リンパ球と形質細胞を 判別する。肉芽組織は血管内皮細胞と線維芽細胞、マクロファージで構成される。 これらの細胞の特徴とともに、ホジキン病ではミラーイメージを理解する。

設問3 それぞれの組織像に最も適する病変の診断名は?
A:炎症性肉芽組織(好中球浸潤)
大型の細胞核をもつ内皮細胞(毛細血管腔)と分葉核を特徴とする好中球が 多数観察される。少数の形質細胞も混じっており、増殖性炎(慢性炎症)に急 性発作(好中球浸潤)が加わった病変を疑わせる。
B:炎症性肉芽組織(好中球と好酸球の浸潤)
大型の核を有する貪食細胞に混じって、細胞質がエオジンに好染する好酸球もみられる。
C:ホジキン病(リンパ腫)
様々な炎症性細胞を想わせる細胞とともに、大型の細胞が混在している。 大きな核(核小体も明瞭)が1対並んだ巨細胞(Reed-Sternberg細胞)を覚えておこう。
D:炎症性肉芽組織(慢性炎症)
エオジンに濃染する細胞質の片側に核を有する形質細胞と、形質細胞の産生したグロブリン (蛋白)の凝集物であるラッセル小体が見られる。

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