日本歯科大学 病理学講座

鑑別診断課題20

課題20-a画像 課題20-b画像
課題20-c画像 課題20-d画像

設問1 4枚のうちでどれが異なるか? 
A

設問2 残り3枚の組織像で共通する特徴(病変・病態・分類など)は?
すべての画像は角化物を特徴とする病変である。 ここでは癌胞巣の浸潤像をどのくらい理解しているが問われる。また、歯原性上皮の 特徴に気がつけば正解に近づく。

設問3 それぞれの組織像に最も適する病変の診断名は?
A:石灰化歯原性嚢胞
写真上方が嚢胞腔。嚢胞壁は上皮と線維性結合織により構成されている。 上皮層内では細胞が球状の角化(幻影細胞)を示し、核異型はみられない。 2層の立方細胞が歯堤様に伸長している。
B:扁平上皮癌
癌胞巣が結合織内に浸潤している。癌真珠を形成している胞巣では 間質に接する辺縁部から内部に向かって、扁平上皮に類似した分化 傾向を示す。炎症細胞浸潤はほとんどみられない。
C:扁平上皮癌
粘膜上皮は凹凸を示し、錯角化層が肥厚している。基底層から癌胞巣が 不規則に索状に増殖しており、癌細胞の異型性は軽度で、癌真珠も認める。 間質は浮腫状で、炎症細胞浸潤を認める。
D:扁平上皮癌
既存の粘膜上皮はみられず、菲薄化した上皮から連続するように癌胞巣が 結合織内へ浸潤している。癌細胞は角化傾向を示す。間質ではリンパ球 浸潤を認め、それに混じって小集塊の癌細胞をみる。

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