鑑別診断課題14
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設問1 4枚のうちでどれが異なるか?
CあるいはD
設問2 残り3枚の組織像で共通する特徴(病変・病態・分類など)は?
設問1でCを選んだ場合には、残り3枚の共通点は
唾液腺腫瘍。Dを選んだ場合には、膨脹性発育を示す良性腫瘍(腫瘍の境界に線維性
被膜が見られる)。
設問3 それぞれの組織像に最も適する病変の診断名は?
A:多形性腺腫
大小の腺腔を形成した腫瘍細胞の集団とともに、腫瘍細胞が個々に分散した様子が
みられる。これらの腫瘍細胞が分散した部位ではこの腫瘍の特徴である粘液腫様ある
いは硝子化を想わせる多彩な間質反応が起こっている。
B:多形性腺腫
均一な細胞核をもつ腫瘍細胞が島状に認められ、それらの周囲は粘液腫様と
表現される細胞間空隙に富んだ腫瘍胞巣を構築している。半円弧状の被膜を
越えた部分では、唾液腺組織(右上方)と脂肪組織(中央上方)、血管腔を含む
線維組織(左上方)が見られる。
C:エナメル上皮腫
拡張した嚢胞腔(実質嚢胞と間質嚢胞が共存)をもつ腫瘍胞巣が膨脹する様子が
伺える。周辺の線維性被膜では、腫瘍を取り囲むように線維が走行しているが、滲
出液が浸透した組織間隙も目立っている。境界部の充実性で濾胞型の腫瘍胞巣
(*)に注目すると、増殖先端が丸くなった歯胚組織の特徴が認められる。
D:腺様嚢胞癌
篩状構造は顕著ではないが、癌胞巣の内部には小腔(偽嚢胞)が多数形成されて
いる。AからCの組織像と異なる所見として、島状の癌胞巣が線維性被膜のうちに
浸潤している。
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