日本歯科大学 病理学講座

鑑別診断課題11

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課題11-c画像 課題11-d画像

設問1 4枚のうちでどれが異なるか? 
A

設問2 残り3枚の組織像で共通する特徴(病変・病態・分類など)は?
嚢胞様の病変の組織応答、特に上皮組織の形態に注目 する。炎症にともなう上皮の反応性増殖と、腫瘍上皮の増殖との違いを見極める。

設問3 それぞれの組織像に最も適する病変の診断名は?
A:エナメル上皮腫
写真上方は嚢胞腔。嚢胞腔に面して索状に増殖する腫瘍胞巣が観察される。胞巣の 先端は歯堤に類似して膨隆している。間質は炎症細胞浸潤をともなわない線維性結 合織からなる。下方は皮質骨である。
B:歯根嚢胞
嚢胞壁は内層から外層へ上皮層、肉芽組織層、線維性結合織の3層からなり、 その下方に骨組織がみられる。上皮組織は角化を示さない重層扁平上皮からなり、 上皮脚は下方へ伸長している。
C:歯根嚢胞
嚢胞壁では炎症細胞の浸潤が強く、嚢胞腔の内面を裏装している上皮が肉芽 組織内に上皮脚を伸長させている。肉芽組織の外側を肥厚した線維性結合織 が被包している。
D:炎症をともなった原始性嚢胞
嚢胞腔の内側は非角化性重層扁平上皮に覆われている。基底層はほぼ平坦である。 上皮直下では強い炎症細胞浸潤がみられるが、下方の線維性結合織では血管拡張 (うっ血)が目立つ。

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