鑑別診断課題10
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設問1 4枚のうちでどれが異なるか?
D
設問2 残り3枚の組織像で共通する特徴(病変・病態・分類など)は?
唾液腺の炎症と腫瘍(腺様嚢胞癌)を鑑別する。
慢性炎症により唾液腺腺房が損傷を受けて線維化が進行すると、臨床的には硬い腫瘤
として触診される。腺房の消失と残存する導管の拡張と炎症細胞浸潤をともなう唾液腺
の炎症性変化の特徴を理解する。
設問3 それぞれの組織像に最も適する病変の診断名は?
A:慢性硬化性唾液腺炎
腺房の消失と膠原線維の増生、び漫性のリンパ球浸潤とともに唾液腺導管が散在している。
導管は拡張し、内腔には変性した細胞や好酸性分泌物を溜めている。
B:慢性硬化性唾液腺炎
腺房が消失し、多数の拡張した導管が残存している。導管周囲では線維化が進行し、
軽度のリンパ球浸潤や、拡張とうっ血を示す血管腔が観察される。白い類円形の空隙
は成熟脂肪細胞である。
C:慢性硬化性唾液腺炎
A、Bとほぼ同様の組織像を示す。局所的に多数の毛細血管の増生と著しいリンパ球浸潤を
認める。その周囲では腺房構造は認められず、拡張した導管のみが観察される。導管周囲
には膠原線維の増生を認める。
D:腺様嚢胞癌
大小の胞巣構造が増生している。写真中央では篩状構造を示す胞巣が末梢神経線維束
を取り囲んでいる。間質ではリンパ球浸潤をともなった線維性結合織が形成されている。
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