日本歯科大学 病理学講座

鑑別診断課題8

課題8-a画像 課題8-b画像
課題8-c画像 課題8-d画像

設問1 4枚のうちでどれが異なるか? 
AあるいはC

設問2 残り3枚の組織像で共通する特徴(病変・病態・分類など)は?
4枚の画像の共通点として、細胞核が分散して 観察される。ひとつの鑑別点として、上皮性腫瘍(多形性腺腫)と非上皮性腫瘍、別 の鑑別点として、細胞核の異型に注目して悪性腫瘍(軟骨肉腫)と良性腫瘍が考えら れる。

設問3 それぞれの組織像に最も適する病変の診断名は?
A:多形性腺腫
好酸性の細胞質を示す腺上皮と核の周囲が明るい筋上皮由来の細胞からなる腫瘍細胞 は索状に増殖し、腺管を形成している。粘液が貯留した部分では突起を細く伸ばした 細胞が散在している。
B:粘液腫
筋線維間に浸潤像を示す腫瘍組織で、繊細な線維を含む粘液基質の貯留が著明である。 腫瘍細胞は星状ないし紡錘状の細い突起を伸ばしている。うっ血を示す血管腔が観察 される。
C:軟骨肉腫
軟骨基質の沈着により大小の小腔が形成され、その中に癌細胞が埋入されている。 癌細胞は腫大した核と膨大した色質を認める。軟骨の一部は骨化している。腫瘍 組織と結合織の境界は不明瞭である。
D:神経鞘腫
紡錘形あるいは類円形の核をもつ細胞が密に束状をなして増殖している。核の特 有な柵状配列(あるいは観兵式配列)を示している。核の存在しないエオジン 好性の部位をVerocay小体という。

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