日本歯科大学 病理学講座

鑑別診断課題7

課題7-a画像 課題7-b画像
課題7-c画像 課題7-d画像

設問1 4枚のうちでどれが異なるか? 
D

設問2 残り3枚の組織像で共通する特徴(病変・病態・分類など)は?
4つの画像の共通する組織所見は管腔形成である。 管腔を形成している細胞が内皮細胞あるいは導管上皮由来の癌細胞であるかを鑑別する。

設問3 それぞれの組織像に最も適する病変の診断名は?
A:血管腫
著しい拡張と赤血球のうっ滞を示す血管腔が多数増生している。その周囲は少量の 脂肪細胞を含む線維性の結合織からなり、炎症細胞の浸潤はほとんどみられない。
B:血管腫
内面を1層の扁平な内皮細胞で囲まれた大小の血管腔が増生、拡張している。 周囲は線維の発達が悪い結合織からなり、線維芽細胞や軽度のリンパ球浸潤が観察される。
C:血管腫
扁平あるいは丸味をおびた核を示す内皮細胞からなる血管の拡張が認められる。 血管腔は大小さまざまで、不規則に増生している。周囲は線維性結合織からなり、 炎症細胞浸潤はほとんどみられない。
D:粘表皮癌
腺管あるいは嚢胞状腔を示す腫瘍実質が増殖している。実質内には細胞質の 明るい粘液産生細胞を散見する。間質は炎症細胞浸潤をともなった線維性結合 織からなり、一部に筋組織が残存している。

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