日本歯科大学 病理学講座

鑑別診断課題6

課題6-a画像 課題6-b画像
課題6-c画像 課題6-d画像

設問1 4枚のうちでどれが異なるか? 
C

設問2 残り3枚の組織像で共通する特徴(病変・病態・分類など)は?
写真上方が嚢胞腔に相当する。嚢胞腔を取り囲む 組織構成から、上皮層を有する嚢胞と上皮層を欠落している偽嚢胞(粘液貯留嚢胞)を 区別する。嚢胞腔に面した内壁を構成する上皮層について、歯原性嚢胞と類皮嚢胞の 特徴についても注目する。

設問3 それぞれの組織像に最も適する病変の診断名は?
A:石灰化歯原性嚢胞
歯原性嚢胞であるが、石灰化物と幻影細胞を特徴とする。エックス線像では、不透過物 を含む境界明瞭な単房性の嚢胞状透過像を特徴とする。
B:類皮嚢胞
軟組織部に発生する嚢胞の代表例で、角化物を貯留した嚢胞腔と嚢胞壁での皮 脂腺などの皮膚の付属器官が認められる。
C:粘液嚢胞
上皮層をもたない偽嚢胞。唾液の分泌障害にともない、貯留した唾液(写真上方) を肉芽組織が被包している。変性に陥った細胞(バルーン変性)が嚢胞腔に浮遊している。
D:歯原性角化嚢胞
扁平上皮化した薄い上皮層と線維性結合織からなる嚢胞壁。嚢胞腔には剥離した角化 物を貯めている。血管の拡張や充血が見られるが、炎症細胞の浸潤は軽度である。

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