日本歯科大学 病理学講座

鑑別診断課題4

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課題4-c画像 課題4-d画像

設問1 4枚のうちでどれが異なるか? 
A

設問2 残り3枚の組織像で共通する特徴(病変・病態・分類など)は?
口腔粘膜病変を比較している。被覆上皮の有無によ って、潰瘍性病変と他の病変に区別できる。上皮の性状について、上皮脚の 明瞭な歯肉上皮(エプーリス)、基底細胞層が不明瞭な扁平苔癬の粘膜上皮 、角化層が肥厚した白板症の特徴を理解しよう。

設問3 それぞれの組織像に最も適する病変の診断名は?
A:粘膜の潰瘍(褥瘡性潰瘍)
線維素で覆われた偽膜と直下に増生している肉芽組織。偽膜は容易に剥がれ、 出血をきたす。粘膜の白色病変には妥当しない。
B:扁平苔癬
上皮直下のリンパ球の帯状浸潤が明瞭に認められ、上皮層では肥厚と部分的 な菲薄化が共存して見られる。長い経過を反映して、細胞浸潤は脂肪織にま で達している。
C:巨細胞性エプーリス(巨細胞腫)
上皮は増殖物によって圧扁されており、増殖する本体として肉芽組織に多数の巨 細胞がみられる。血管腔は多く、臨床的には粘膜の膨隆と発赤を特徴とする。
D:白板症
上皮層での角化亢進と有棘細胞の肥厚、上皮下の結合織では炎症細胞浸潤をとも なう瘢痕組織がみられる。臨床的には、板状の白斑として観察される。

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