日本歯科大学 病理学講座

鑑別診断課題1

課題1-a画像 課題1-b画像
課題1-c画像 課題1-d画像

設問1 4枚のうちでどれが異なるか? 
B

設問2 残り3枚の組織像で共通する特徴(病変・病態・分類など)は?
いずれの画像も胞巣内部に角化球を形成している。3枚の 画像は悪性腫瘍である扁平上皮癌で、1枚は唾液腺の良性腫瘍である多形性腺腫で ある。腺腔形成や間質様反応などの所見により、組織像で鑑別が可能である。

設問3 それぞれの組織像に最も適する病変の診断名は?
A:扁平上皮癌
写真右が口腔側で、口腔粘膜上皮に連続して涙滴状に癌胞巣が形成され、 結合織内へ浸潤している。胞巣の中心部にたまねぎ状の角化物がみられる (癌真珠)。間質では中等度のリンパ球が浸潤している。
B:多形性腺腫
索状の増殖パターンを示す胞巣内では大型の角化球が形成されている。 胞巣周囲には脂肪細胞を含む線維性結合織がみられ扁平上皮癌を疑うが、 胞巣内に小型の腺管や間質の硝子化が観察される。
C:扁平上皮癌(リンパ節転移)
写真右は癌細胞が変性に陥り、嚢胞腔が形成されている。胞巣内では辺縁から 内部に向かって基底細胞様、棘細胞様、角化と分化が辿れる。間質は線維性 結合織からなり、炎症細胞が浸潤している。
D:扁平上皮癌
Aと同様に写真右が口腔側である。口腔粘膜上皮は癌化し、結合織内に大小の 胞巣が浸潤・増殖している。癌真珠が散見される。間質は炎症細胞浸潤と 浮腫をともなった線維性結合織からなる。

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