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日本歯科大学図書館所蔵書より(第十八報)

 〜戦前に出版された歯科に関する語彙・用語諸書について(前編)〜

 

鹿児島大学名誉教授

日本歯科大学客員教授

島田 和幸

  

 今回は本学図書館に所蔵されている大正末期から昭和初期に出版された歯科医学に限定された語彙・用語に関する書に注目した。この様な内容に関する書についてはあまり注目されないが著者にしてみれば大変な時間と労力を費やして著した書であると考えられる。それではそれらの書について出版年度(本学所蔵書の出版年)順に並べて紹介するが比較的多くの書があるので今回は二部に分けて紹介する。

@  奥村鶴吉編『英和歯科学辞彙』

 初版は大正2年11月8日東京神田三崎町の歯科学報社より出版された第5版で書名の英文名は『Okumura Dictionary of Dentistry』である。記載方式は英語のアルファベット順に単語の名詞・形容などが431ページに記載され、その後は追加語として432ページから590ページに、そして最後は略語が記載され、全体で610ページにのぼる。大きさ縱×横148o×89oの小型本である。

A  佐藤運雄・沖野節三共著『英羅和譯 近世歯科字典』

 本書の初版は大正15年11月5日に東京神田駿河台の東京歯科月報社より出版された書の同年11月25日に再版され、正価6円で販売された書である。

記載はアルファベット順で、歯科の専門以外の範囲でも歯科医人として必要な語は多く加えていることが本書の例言に記してあり、本書の特色とでも言える。全1310ページよりなり、本書の大きさは縦×横145o×75oの小型本である。

 

B  杉山不二編『和英独対照 歯科臨床語彙』

 本書の初版は大正15年1月18日東京神田三崎町の歯科学報社より出版された書の第5版で昭和10年6月25日、定価60錢にて販売された。本書はその編者識より東京歯科醫学専門学校附属醫院での臨床実習に使用する述語を日本語、英語、独語について約700語あまりにまとめて記載した書である。記載用語の順は臨床科目ごとに治療及外科、充填、矯正、補綴、X線及薬物の5部に分けてこれらの各科での用語をアルファベット順に記されているところに特色がある書である。本書の大きさは縦×横153o×108oで全37ページの小型本である。

 

 

*図書整理番号(配架場所 地下2階):

 ・奥村鶴吉編『英和歯科学辞彙』 (請求番号 D.03/O 55/W35910)

 ・佐藤運雄・沖野節三共著『英羅和譯 近世歯科字典』

     (請求番号 D.03/Sa85/W34341)

 ・杉山不二編『和英独対照 歯科臨床語彙』 (請求番号 D.03/Su96/W35912)

(2017.9.6up)

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