鹿児島大学名誉教授
日本歯科大学客員教授
島田 和幸
今回はイギリスのJohn Hunterの業績をまとめた書籍である。John Hunterは1728年2月13日にスコットランドグラスゴーの郊外の農村に生まれ、解剖学、外科学に興味を持ち、また多くの動物実験や動物標本を作成し、また標本の収集家としても有名な博物学者であると共に外科医としても著名な研究を行ったことから「近代外科学の開祖」とも言われている人物である。
今回、紹介する書は全4冊から構成されている。出版書籍はLondonのLONGMAN社で第一巻と第二巻は1835年出版、第三巻、第四巻は1837年に出版されていて、全冊とも書籍の大きさはほぼ同じ縱×横220×140oである。
全巻の編集はJAMES F. PALMERが行っている。各巻についての記載の概略を紹介をすると第一巻はJohn Hunterに関する生い立ちと外科学講義に関する内容が632ページにわたり記載されている。第二巻は歯科学に関係する内容で我々歯科医学に関係する者としては最も興味ある内容でそのタイトルは「Treatise on the Natural History and Disease of the Human Teeth(ヒトの歯の博物学と疾病論)」である。この歯に関する論文と性病論の二編について488ページにわたり記載されている。第三巻は外科手術に関係する内容で血液学、炎症、銃傷の処置やHunter手法の術式等の論文8編が638ページにわたり記載されている。第四巻は解剖学と博物(動物に関する)に関する短編論文47編が493ページにわたり記載されている。
今回はJohn Hunterに関する業績等を集めた貴重な書について紹介した。この4冊のなかでも特に第二巻の論文は歯科医学に携わる者としては是非一度は目を通していただきたい論文である。
vol.I
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vol.II
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vol.III
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vol.IV
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*図書整理番号(配架場所 地下2階):
The wokrs of John Hunter, F. R. S. with notes ; v.1〜4, plates
D.1/H945/F425〜F428(v.1〜4, F420(Plate)
(2017.4.20up)
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