ホーム>Fujimiア・ラ・カルト1

 

日本歯科大学図書館所蔵書より(第十一報)

 〜松田良身先生(本学の大正十年第十回卒)の著書について〜

 

鹿児島大学名誉教授

日本歯科大学客員教授

島田 和幸

 

A new Eglish text of dental science.

No.1 1937

A new Eglish text of dental science.

No.3 1937

A new Eglish text of dental science.

No.3 1939

  松田先生は明治32年5月に兵庫県神戸市に生まれ、神戸市の関西学院中学部より日本歯科医学専門学校に入学され大正10年に卒業後、米国ペンシルバニア大学歯学部、ウィスター研究所、ニューヨーク生物博物館人類学教室にて解剖学を研究後、ボストンのフォサイス研究所で全身麻酔を研究され、昭和3年より日本大学専門部歯科(現日本大学歯学部)で歯牙解剖学、口腔細菌学、英語を担当された。昭和9年には母校の教授となられ昭和20年3月まで麻酔学、英語を担当された。なお先生は名前を美実から良身、義美と三度改名されている。先生の著書としては『A NEW ENGLEISH TEXT OF DENTAL SCENCE』のシリーズ本が出版されている。その中の三冊については本図書館で所蔵されていて、その内容は歯の解剖学、口腔診断学などであるが、すべて奥付を見ると非売品と記されていることから学生の英語の教科書として使用されていた書であると考えられる。松田先生の最も著名な書は先生のご専門である歯科麻酔学の書であり、『理論実際歯科麻酔法』(第2版昭和11年出版)や『歯科クロールエーテル全身麻酔法』(昭和7年出版)などが所蔵されている。これらの書の内容を見ると当時としては歯科麻酔学の日本での最先端の教育内容であった。そして昭和13年には語学に精鋭されていた先生による『英羅和譯新歯科辞典』(昭和17年)も出版されている。これらの紹介した各書籍に関しては本学図書館に所蔵されているので先輩の先生が著されたこれらの書を一度は手にとって眺めていただきたいものである。なお『最近歯牙解剖学』(昭和4年)は松田先生が日本大学歯科専門部時代の著書であるために本学図書館では残念ながら所蔵されていないが、解剖学を専攻とする私個人としては興味深い著書の一冊でもある。

 

歯科クロールエチール全身麻酔法

理論実践歯科麻酔法

英羅和譯新歯科辞典

 

 

*図書整理番号(配架場所 地下2階貴重書):

  ・A new English text of dental science ; No.1 (第3版 1937) D.08/Ma74/9923

  ・A new English text of dental science ; No.3 (1937) D.08/Ma74/10071

  ・A new English text of dental science ; No.3 (改版 1939) D.08/Ma74/9924

  ・歯科クロールエチール全身麻酔法(1932) D.36/Ma74/W1470

  ・理論実際歯科麻酔法 増訂第2版(1936) D.36/Ma74/W1469

  ・英羅和譯新歯科辞典(1938) D.03/Ma74/FW2855

(2016.6.6up)

Topへ